▼解決を目指す「社会課題」

吉野 森さん
2年生(京都府 花園高等学校 出身)
心理学の学びは、個人の心を探究するだけではありません。「心理学プロジェクト社会連携演習」は、心理学の知見を社会とつなぎ、「心のつながり」から社会課題の解決をめざす実践的なプログラムです。心理学部生が提案する主体的なアイデアを軸に、社会連携プロジェクトを運営し、心理学の知見が地域社会でいかに役立つのかを、実社会で検証します。私たちのチームが取り組んでいるのは、「Z 世代に届く環境問題ワークショップの開発」です。環境問題という壮大なテーマを「人と社会の心のつながり」ととらえ直し、多くの若者が環境問題を「自分ごと」として感じられない理由にスポットを当てることにしました。心理的な壁を乗り越えるための具体策を検討した結果が、Z 世代の心に響き行動変容をうながす、体験型のワークショップだったのです。企業と連携し、心理学的アプローチにもとづくワークショップをデザインしました。
今回のプロジェクトをとおして、社会に対する新しい見方が身についたと感じます。これまでどこか「他人ごと」と感じていた環境問題を、企業の現場で目の当たりにし、その課題の複雑さと向き合う人々の熱意を体感しました。私たちが得た新たな発見や学びを、関心の薄い世代に「自分ごと」として届けるため試行錯誤を重ねたプロセスにも、大きな学びがありました。自分たちと同じ世代のターゲットに対して「どうすれば興味を引けるか」「どんなことばが響くか」を徹底的に考え抜くことで、心理学の知見がいかに社会に役立つのか、身をもって理解できました。答えのない問いを立て、チームでプロジェクトを進めていくには、一人ひとりの主体性が不可欠です。メンバーそれぞれの個性を尊重しながら一つの目標に向かった経験は、リーダーシップやコミュニケーション能力を磨く、かけがえのない機会になりました。
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▼解決を目指す「社会課題」

岡村 和奈さん
3年生(大阪府 大阪女学院高等学校 出身)
不登校の子どもは年々増加し、深刻な社会問題となっています。不登校問題は授業でもたびたび取り上げられており、その原因や背景を考え、コンサルテーションの例を学んできました。そうした座学での学びを実践に移すのが「思春期の子ども理解と支援実習」です。実際に不登校支援センターや学校現場に足を運び、対象となる児童や生徒への学習補助やコミュニケーションをとおして、心理教育支援を行います。不登校に至った経緯や要因はそれぞれ異なっており、個々に応じた支援が求められます。私も子どもの気持ちを汲み取り、心に寄り添う対応を心がけてきました。本来であれば、スクールカウンセラーが行う支援の現場に学生である私たちが参加できるのは、とても貴重な経験ではないでしょうか。教科書だけではわからない、教育現場のリアルに触れ、心理教育支援の重要性を改めて実感しています。
実習に参加してわかったのは、不登校は誰にでも起こりうる身近な問題だということです。悪意のない一言や、発達上の課題への無理解など、周囲の何気ない言動が不登校を引き起こす事例も少なくありません。特別な経験をしたから、心が弱いからと、決めつけてしまわず、「自分ごと」として考えることが重要なのです。この問題を解決するには、現代の画一的な教育ではなく、一人ひとりの個性を尊重する教育への転換が必要だと考えます。学校に通うことを問題解決のゴールにするのではなく、もっと先の未来を見据えて、今の自分にできることを考え少しずつでも行動する。そうした小さな一歩の積み重ねが、この大きな社会課題を解決する糸口になるのではないでしょうか。心理学の理論と実践の両面から相手の心を理解し、個別最適なかかわり方を考えていく。それが今の私にできる小さな一歩かもしれません。
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▼解決を目指す「社会課題」

嘉新 遥陽さん
3年生(愛媛県立宇和島東高等学校 出身)
精神疾患を抱える人の増加は、現代における深刻な社会課題です。私はその背景に、多くの人が社会のなかで他者とかかわるあまり、自分に対して過度に厳しくなっている現状があるのではないかと考えました。これまで授業で学んできた知識を土台とし、実習をとおして支援の現場に身を置いたことで、その課題のリアリティを肌で感じることができた気がします。施設での心理職の役割や多職種連携の現場を目にし、座学だけでは理解しきれなかった心理士として負うべき責任や、自分が将来どのような支援を行いたいのかという職業観も明確になりました。なぜ人は心を病んでしまうのか、その原因や背景を追究し、支援の方向性を模索していく過程は、社会課題への理解と対策を深める実践的な学びの場となりました。現場の空気に触れ、身をもって経験したからこそ、生きた学びが得られたのだと思います。
人々が抱えている「生きづらさ」を解消するには、ありのままの自分を受け入れ、自分自身にもう少しやさしくなることが大切なのではないでしょうか。他人にやさしく自分に厳しくなりがちな現代社会において、自らの精神的なキャパシティに余裕をもつことは簡単ではありません。しかし、今回の実習経験は、そうした「自分へのやさしさ」の重要性を再認識する機会でもありました。心理職として課題と向き合い、どう支援の方向性を定めていくかを学ぶことは、社会問題の解決に向けた確かな一歩となるはずです。実習をとおして自分の未熟さや課題も浮き彫りとなりましたが、それも含めて将来への道筋が見えてきました。単に治療者として接するだけでなく、クライアントと同じ方向を向き、その心に寄り添いながら共に歩んでいける、そんな支援者をめざして学びを深めていきたいと、心を新たにしています。
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▼解決を目指す「社会課題」

梶原 康平さん
3年生(大阪府立堺東高等学校 出身)
私たちが取り組んでいるのは、大人も子どもも楽しめる「遊びプログラム」の開発です。少子高齢化や人口減少が進む現代社会では、地域内でのつながりが希薄化し、世代を超えたコミュニケーションが難しくなっています。この問題を解決するには、住民同士の地域的なつながりを深めていくことが不可欠です。私たちは、万人に愛される「遊び」がもつ不思議な魅力に着目し、地域社会に新たな関係性を生み出したいと考えました。全15 回の講義をとおして、遊びを心理学的な観点から観察し、体験し、考察を深めることで、リラックス効果や関係性を促進するメカニズムを追究します。単に楽しいイベントを企画するのではなく、自分たちが実際に体感した経験を分析し、新たな関係性を生み出す「遊び計画」をデザインすることが目的です。「遊び」の価値を再発見し、社会課題の解決にアプローチします。
この授業を受ける前は、10 歳にも満たない子どもたちの存在をどこか遠くに感じていました。年下の子どもとかかわる機会がなく、「小学生もスマートフォンを持つ時代」といった断片的な情報から、自分が育ってきた環境とは全く異なる存在だと思い込んでいたからです。しかし、「シャボン玉遊び」をとおして子どもたちと向き合うなかで、その意識は劇的に変化しました。そこで目にしたのは、自ら考え、楽しみながら新たな経験を積み重ねていく、一人の主体的な「学修者」の姿だったのです。「見て、して、学ぶ」プロセスを繰り返す子どもたちの純粋な好奇心に触れ、私自身にも大きな学びがありました。ただ情報を調べるだけでは見えてこないリアリティが現場にはあります。足を運び、自分の目で見て、直接触れ合う体験こそが、心理学を実社会で役立てるための確かな基盤になるのだと実感しました。
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中村 勇翔さん
3年生(京都府立山城高等学校 出身)
水口ゼミは、心理学部で唯一「ビジネス」の視点をもつゼミです。「組織の力を最大化する」という社会課題に対し、心理学の知見を実社会でどう活かしていくかを、徹底的な議論をとおして学んでいます。組織で活動するメリットのなかでも、「議論」は組織の力量が大きく表れる場面です。組織のあるべき姿について学びを深めていくなかで、私は「心理的安全性」の真の意味に気づかされました。それは単に空気を読んで同調することではなく、たとえ結論が遠のいたとしても、全員が「本音」をさらけ出すことです。そうした衝突と対話のプロセスを経てはじめて、メンバー全員が高いエンゲージメントをもって、同じゴールをめざすことができるのだと考えます。表面的な仲の良さではなく、本音で意見を戦わせるこの経験は、将来どのような組織に属しても、チームの成果を最大化し、貢献できる確かな力になると確信しています。
郡川 佳一郎さん
2年生(青森県立八戸高等学校 出身)
私たちは、精神的に病みやすい人の行動傾向を研究しています。なかでも「恋愛における依存」をテーマにしています。なぜ人は、心の穴を埋めるために依存、執着してしまうのか。そのメカニズムを解き明かすべく、当事者にインタビュー調査を実施し、グループでの仮説検討を行っています。研究から見えてきたのは、心の穴を埋める行動が「自らの人生を大きく変えてしまう」という事実でした。この結果を受けて、さらに探究心が高まっています。廣橋ゼミのおもしろさは、同じデータであってもメンバーそれぞれが異なる解釈をもち、議論が展開していく点にあります。自分一人ではたどりつけない新たな視点に触れ、心の複雑さと奥深さを実感しました。ゼミで培った多角的な視点を活かし、児童虐待をはじめとする不運や不平等に直面する子どもたちを「福祉としての心理学」の観点から支援し、自己実現の手助けをしたいと考えています。
池田 美来さん
3年生(大阪府立寝屋川高等学校 出身)
人の心情が行動に表れることに興味をもったのが、心理学を志した原点です。「第一印象」といった日常的な感覚が、実は心理学的な理論に裏打ちされていることを知るプロセスは、知的な発見に満ちています。現在は、目に見えない心理的要因をどう定義し、客観的に調査するかという難しさと向き合いながら、卒業研究の計画を立てています。壁に直面したときは、先生の的確なアドバイスに助けられています。また、ゼミの幹事として交流会を企画し、ぎこちなかったメンバー同士の距離が少しずつ縮まっていく喜びを実感した経験は、対話の重要性を知る貴重な機会となりました。今後は学びを発展させ、対人関係の基盤である「愛着スタイル」をテーマに研究を進めていく予定です。研究をとおして専門性を磨き、自分や他者のわずかな心の不調にもいち早く気づき、そっと手を差し伸べてあげられる、そんな人になりたいと思います。
宮地 ゆらさん
1年生(山口県立防府高等学校 出身)
同じ状況にあっても、なぜ人によって反応が違うのか。この純粋な問いが、心理学に興味をもったきっかけです。日常の疑問を理論的に理解したいと考え、心理学部を志望しました。現在は「夢」をテーマに研究を進めています。ストレスや日常の出来事など心理的な要因が夢の内容に影響すると知り、身近に感じていた「夢」を心理学的にとらえ直すことができました。調べる過程そのものがとても楽しく、学びを深める貴重な機会にもなっています。発表をとおして、自分にはない視点やさまざまな意見に触れて視野が広がっていくのもゼミ活動の醍醐味です。特に興味深いのは、仲間とのグループワークです。意見を交わし、相手の考えを知るなかで、コミュニケーション力も向上しました。理論だけでなく、具体的な技法や事例についても理解を深め、相手にとってより良い支援とは何かを追究していきたいと考えています。